about us

身の回りにあるどんなものでも, 生活の中には必ずデザインされたものがあります。
もしくはそう謳われていない「何でもない」ものや,
どのような経緯で作られたのか分からないようなものまで,
全て意匠化(デザイン)を経て形にされています。

amplogはそのような普遍的なデザインに対して
“編集(Edit)”“意匠(Design)”“構成(Compose)”を施すことで,
身の回りにある価値を別の価値として置き換えながら,
多義的な検証を展開していくウェブコンテンツです。

あまり耳慣れない専門的なサブジェクト, 既に知り尽くされたアイデアやコンセプト,
それらをamplogの視点で再構築し,
ジャンルやカテゴリーにとらわれない創造的なコンテンツを展開していきます。

Design

04 | Here Comes The Kingsley

シグネチャーから始める
プライベート・プロダクション

March 27, 2015

荒々しく貼られたガムテープ、粗雑に扱われた宛名紙片、角が潰れて丸くなったダンボールの中に入れられて、卓上箔押印刷機「Kingsley M-101」が事務所に届きました。Kingsleyというホットスタンプメーカーが95年頃に発表したモデルですが、詳細なことはあまり知られていないようです。

そんな、謎多き機械を入手した経緯を少しだけ……

箔押しというと一般的に、高価で特別な印象を与える仕様だというイメージがあると思います。金や銀の光沢や、熱で押された金属の凹凸は、印刷物というメディアの中でも、一つ格が上がるような存在感を演出します。印刷はその時点で物質となるので、ブラウザ上でのデザインと違い(紙とインクが作る極薄の立体物ですので)厳密な意味での平面媒体ではないのですが、箔を押すことでよりその生産物としてのディティールが深まります。

もちろんそれは豪奢なデザインを押し付けたい、という意味ではありません。質の良さは見た目に埋もれてしまいがちですが、それはデザインの問題ではありません。箔押しという技術が与える“特別な印象”をどう捉えるかという視点が問題になってくるのです。色々と考え始めると難しいところではありますが、一つだけ明確にしました。

それは「特別=高価」ではなく、「特別=大切」であるべきではないだろうか、と。

そのように考えていくと、自然と、自分たちが良いと思えるものを自分たちで生み出していければ、という発想になりました。全てをというわけではありませんが、名刺一つ、書類一つにでも手を加えて、署名するようにオリジナルの制作が出来れば、より“特別=大切”なデザインになるのではないでしょうか。ウィリアム・モリスのケルムスコット・プレスとは少し違うかもしれませんが、そんな啓蒙活動も少しだけ意識しつつ、プライベート・プロダクションを進めていこうと思っています。